2009年7月31日金曜日

美しくなる女性

/.jpで知ったのだけど,進化心理学的に女性がどんどん美しくなっているという記事がイギリスのThe Sunday Timesに掲載されたそうな.記事をまとめると
  • 美しい女性は普通の女性より多く(16%多く)の子供を授かる.
  • その子供は男性(息子)より女性(娘)である割合が高い.
  • 娘は母親の美しさを受け継ぎ,大人になると親と同じパターンを繰り返す.
  • その結果,美しい女性の割合が増えていく.
ってことらしい.で,これは女性の美しさというのが子孫繁栄,遺伝子保存に有利に働くから(いわゆる性選択(sexual selection))という主張.

元々これを言い出したのは,いろんな意味で有名なLSEのカナザワ・サトシさんで,統計的に見た目の良い親は息子より娘を授かりやすいという主張.美しさというのは遺伝し,見た目の良い両親は息子より娘を授かりやすいということならば,当然女性はどんどん美しくなっていく,という帰結が得られるというわけだ.

一方,男性は美しさという淘汰圧(selectional pressure)を受けることはなく,天敵に対して狙われやすい妊娠中の女性を守る能力,現代の枠組みでいうところの経済力の方がより重要で,統計的には金持ちほどたくさんの配偶者と子供を持つことに現れているとのこと(じゃあ金持ちの男性は増えていってるのかしら.資産は生物学的に遺伝しないから増えないと答えるんだろうな・・・).

美しさをどう客観的に計ったのかは,元の論文を読んでないので分からないので,あまり決定的な批判はできないけど,David BullerのPop EP (Popular Evolutionary Psychology)への批判は講義で取り上げたことがあって,Bullerの論法でいけばかなりこの手の研究というのは懐疑的にならざるおえないだろうなぁ.
 
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