2010年4月30日金曜日

Xpert

ゴールデンウィーク直前の28日午後6時から,大学が開発している講義サポートシステムのバージョンアップと5月に新しく導入されるXpertという講義録画公開用システムの説明会があったので,参加してきた.日取りや時間が悪かったのか,参加者は数名しかいなかったが,内容は中々面白かった.

現在でも早稲田はオンデマンド講義といって,予め録画しておいた講義を履修登録者にストリーミング配信することはできるのだが,Xpertはそのオンデマンド講義をスタジオに行かずにパソコンでスライドなんかを操作しながらウェブカムとマイクを使って,個人で簡単に録画作成するソフトとのこと.

海外に学会発表しにいったりする際,休講にはしたくないけど,わざわざスタジオにオンデマンドの録画をしに行くのも躊躇われるなんていう時にはいいかもしれない.もっとも私の場合,語学系の授業はオンデマンドは無理なので,言語学の講義科目に限定されるが(それも割と学生の反応を見ながら講義する方が好きなので,結局使わないかも).学生にもライセンスは与えられるらしいので,プレゼンを録画してもらうというのも面白いけど,プレゼンは聞き手とのやり取りが肝要だから,これも微妙と言えば微妙だ.

システム的にはWindowsのみ対応というのと,スライドはPowerPointが前提というのがネック.私みたいにMacでLaTeX+Beamerを使ってpdfのスライドを作っている人は,BootcampでWindowsを立ち上げて,pdfの各スライドを範囲指定して画像として1枚1枚取り込む必要がありそう.韓国で開発されたソフトのようなので,この辺は日本のシステム会社に要望を出しても中々難しいんだろうなぁ.

まあ,実際使ってみないとなんとも言えないので,利用可能になったら1回90分講義を撮ってみようかな.

2010年4月27日火曜日

ミル

新学期も第4週目が終了して,もうすぐゴールデンウィークである.まあ私は特に休むことはないのだけど,講義が1週間ないだけで結構時間的に余裕ができるので,溜まっていた仕事を片付けたり,普段は時間が取れなくてできない研究にまつわる細々とした作業ができて,ありがたい.

私はカフェイン中毒,コーヒージャンキーなので,そんな作業の際家でも研究室でもひっきりなしにコーヒーを飲んでいるけれど,この度研究室のコーヒーミルを新しいものに変えてみた.別に高級なものではないのだが,セラミックの臼で磨り潰す方式のカリタC-90がAmazonで割と安く売っていたので買ってみたところ,これが中々良い.雑味(過剰な酸味やえぐさ)がなくなって,ストレートに豆の苦味と香りが出るようになって満足である.とても気に入ったので,自宅用にもう1つ購入した.実家の母親にも買って送ってあげようかと思うくらいである.

そんなコーヒーを飲みながら,研究室のリクライニングチェアで先日丸善から届いたAndrew Carstairs-McCarthyのThe Evolution of Morphologyを読むのが最近の小確幸である.私が2004年にイギリスからニュージーランドのUniversity of CanterburyにInternational LFG Conferenceで発表しに行った時に,招聘講演がAndrewであった.同じ形態論を専門とする研究者にとって,とても刺激的な話だったのだが,今回の本も音声と統語に偏った言語進化研究に新たな視点を提供する研究で,形態論学者で言語進化に関心のある人(ほとんどいないだろうが)にとっては1つのとても重要な研究の方向を示すものであると思う.私も単に頷きながら読んでいるだけではなくて,ちゃんと自身の研究に結びつけなければいけない.

2010年4月21日水曜日

丸善

なんだか天気が良いなぁと思っていたら,今日東京は夏日だったとか.先週の金曜日は真冬並みの寒さで雪が降ったというのに.私はあまり気温を確認せず適当な服装で出かけてしまうので(というか数字で見ても,いまいちどういう服装が適しているのか分からないので,この時期はこんな感じだよな,という勘で着ている),こうも気温の変動が激しいと困ってしまう.

ここしばらくやたら忙しくて,ろくに研究書を読む暇もなかったのだが,Amazonの大学生協経由で使うアカウントを見てみると,ほしい物リストに70冊も本が入っていた.年度末は2月半ばくらいから1ヶ月半ほど研究費が使えないので,年度が開けたら買おうと読むべき研究書をほいほいリストに放り込んでおいたせいである(未刊行のものも多いが).

取り敢えずすぐに発送される「在庫あり」の中から7冊ほど注文した(それだけで3万円もかかってしまうのが,洋書の専門書の悲しいところである).Amazonは在庫があるものは発送が早く数時間後にはもう発送の知らせが届いたのだが,洋書は在庫1-3週間とか2-4週間とか3-5週間というどれほど違うのかよく分からない取り寄せ状況のものがひじょうに多い.特に3-5週間と表示されているものは要注意で,過去に何度か取次店になく確保できないという理由で数カ月かかったこともある.

今回割とすぐに読みたいもので数週間かかるものがあったので,試しに丸善で在庫を調べてみると,丸の内本店に結構在庫があることが分かった(ジュンクと紀伊國屋は全滅だった).福井の大学にいるときは学会などで東京に来ると,必ず東京駅前の丸善丸の内本店で洋書を大量購入していたのだが,よく考えると最近ほとんど行っていないことに気づいた.早速帰りにクロールすることにした(クロールについてはこちらを参照).

相変わらず丸善丸の内の洋書の品揃えは充実していて,何よりLinguisticsと書かれた巨大な棚が2つもあるのは実に素晴らしい(ELTとおまけの理論系しか置いていないジュンク堂と紀伊國屋はこの点は見習って欲しい).Amazon.co.jpで入手不可で,Amazon.co.uk経由で古本屋から苦労して買った本まであったりして,びっくりである.しばらく物色した後,お目当ての本(Andrew Carstairs-McCarthyのThe Evolution of Morphologyなど)や「あっ,これもう出てたんだ」という本(Tecmseh FitchのThe Evolution of Language)その他5冊を選定カウンターに持っていって,大学に送ってもらう手続きをした.

あまり丸善を褒めるのもどうかと思うが,和書においても「言語学」という棚がちゃんとあって,しっかり品揃えしているところは相変わらず関心してしまう.結構大きな書店でも,言語学は何故か語学学習コーナーの端にあったり,哲学・思想のところに申し訳程度に置いてあったり,認知心理学の棚に一緒に置いてあったりする(こういうところは一般向けの心理テストのような本も心理学と一緒に置いてあったりする)ことが多いので,こういうのを見ると結構嬉しい.

ということで,結構読みたかった研究書がごっそり届くので,なんとか時間を確保したいところである.ゴールデンウィークも近いことだし.

2010年4月19日月曜日

お引っ越し

新年度(と言ってももう3週目に突入しているが)はただでさえ慌ただしいものだが,特に今年度の1週目は研究室の引っ越し,業務上急に持ち上がった問題,その他諸々で非常事態で猫の手も借りたいくらいの状態であった.特に研究室の引っ越しは,速やかに終わらせないと研究はおろか,授業準備やその他の事務的な仕事もできず,最優先事項であったので,ケーキを餌に奥さんの手を借りることにした.

まだ専任教員のキャリアも4年だし(20代の「若者」から三十路の分水嶺をまたぎ「おじさん」へのトランジションを経験したという意味では大きな4年だったが),そんなに研究室の荷物はないはずで,前任校から移ってきた時もせいぜいダンボール25箱くらいだったのだが,ここ1年で着々と増えているのは間違いなく,全部箱詰めする必要がある引っ越し業者に頼むと余計大変である.ということで,2人で4-5箱詰めては台車に乗せて運び新しい研究室で荷解き,というのを7-8回繰り返して,なんとかすべて移動した.

身の回りも落ち着いて,イレギュラーな忙しさも多少解消され,やっとまともな生活ができそうである.もう数十年は研究室の引っ越しもないだろうから,心置きなく本や機材も揃えることができるのもうれしい.

2010年4月4日日曜日

キャッシュ

今年度末は移動もないし楽勝と思いきや,思いの外バタバタしていて,気がつけばもう新学期である.年度末は新たな道へ進んでいく卒業生と話して心強く感じたり,新年度は初々しい新入生を見て微笑ましく感じたり,とまあそれなりに大学の春という雰囲気である.

講義開始直前の今週末は,まずセキュリティソフトを更新するため実家へ.私がイギリスから帰国したときにプロバイダとADSLの契約をして,無線LAN環境を整えたのだが,それ以来4年間まったく問題なくNECのルータが動いているのには感心する.ちなみに更新手続きをしているとき,母親に「Googleの検索結果でキャッシュって書いてあるところは,見るのにお金を払わないといけないの?」と聞かれた.カタカナで書いてあるのでcacheをcashと勘違いしたようで,怖くてクリックできなかったとのこと.中々笑える勘違いである.ちょっと前までコンピュータを起動すらできなかった私の両親であるが,メールでやり取りもできるようになり,Amazonや楽天でショッピングをし,航空券の予約をし,市立図書館の蔵書検索をし,Google検索までできるようになったのは,実は結構な進歩なのかもしれない.

翌日,車でそのまま別宅の茨城へ.日曜日は奥さんの勤務校の入学式だったので,一人家でパラパラと学会応募用のアブストラクトを書いていた.ここ数年,長期的な研究計画を睨み,意図的に学会発表を控えていたのだが,今年は少し積極的に外に出ていこうということで,その第一弾である.まあそれでも地味な研究ではあるので,どう評価されるのやら.

夕方に無事投稿し,近所の洋食屋で夕食.この辺りでは割と有名な店だそうだが,常陸牛をトロトロになるまで煮込んだシチューとこれまた常陸牛のハンバーグは大変美味であった.赤ワインなんか飲めたら最高だったんだが,車で東京に帰る直前だったのが残念である.しかし茨城の人って,本当に肉が好きなんだねぇ.
 
QLOOKアクセス解析