2009年6月27日土曜日

読書の夏

暑い.猛暑である.しかし幸いにも土曜日なのでTシャツ,短パン,サンダルという快適な恰好で研究室へ.

馬場下町の交差点で信号待ちをしているとき,見たことある人がいるなと思ったら,自民党の与謝野財務大臣だった.ブログのネタに2ショット写真でもお願いしようかと思ったが(←ミーハー),おもむろにしゃべりだした.都議選の応援演説をしにきたようだ.ああいうのって,もっと高いところに立ってやるもんじゃないのかな.まあ,土曜日の人気の少ない大学付近で(早稲田はいつでも学生がうろついてはいるけど),ご苦労様です.

結局,昨日の火事現場はよく分からなかった.ちょっと奥に入ったところだったのかもしれない.今日は西門の前で,大型バイクがタクシーと接触事故を起こしたようで,人が倒れており,坂の下の交番からお巡りさんが自転車で駆けつけてきたところであった.命に別状はなさそうだったけど,なんだか不穏だなぁ.

昨日は火事があったので書き忘れたけど,木曜日に大学生協の本屋をぶらついていて目についた本を3冊買った.柴田元幸,高橋源一郎の『柴田さんと高橋さんの小説の読み方,書き方,訳し方』,森博嗣の『森博嗣の半熟セミナ 博士,質問があります!』と『DOG & DOLL』.今朝3冊とも読み終えた.

『小説の・・・』の方は,東大教授で翻訳家の柴田さんと小説家で明治学院教授の高橋さんの対談.頭の使い方が違うのか,私が無知なのか,作家や作品の細かい議論は正直よく分からなかったが,面白そうな作品の情報を仕入れるという点では,有益な本だった.私は1人の作家にはまると,その人の作品ばっかり読み続ける習性があるので,こうやってたまに新しいインプットをして,裾野を広げていけるのは,ありがたい.柴田さんって,英文学会でお見かけしたことが何度かあるけど,しゃべったことないな.門外漢なので,なんてしゃべりかけたらいいのかも分からないし・・・.

森さんの『・・・半熟セミナ・・・』は,知識のひけらかしのような嫌みがなく,ウィットが効いていて,奥様のささきすばる氏のイラストが実にかわいくて,楽しい読み物だった.『DOG & DOLL』の方はTOKYO FMの会員限定ウェブに書いていた音楽に関するエッセイをまとめたもの.こちらも「森さんらしい」語り口でひじょうによい.

その『DOG & DOLL』の中で,森さんの元勤務先国立N大学の近所の大学(名古屋工業大学だね)にいる友人の研究室に,ラルクのkenさんが所属していたと書いてあった.私は中学・高校時代から仲の良い友人が名工大出身なので,この話は知っていたのだけど,ウェブでkenさんを検索すると(洒落ているわけではない),懐かしい名前が出てきた.

なんでも今kenさんがやってるソロツアーのサポートで,白田`Rudee'一秀(昔はRudyだったよね)さんが参加しているそうな.私は日本のロックギタリストの中では今でも白田さんが一番好きで,高校1年生のとき心斎橋のオンユーという楽器屋であったセミナー(当時最新技術だったフェルナンデスのサスティナーのプロモだったかもしれない)にも参加して,目と鼻の先くらいの距離で食い入るように見ていた.あれは確か皇太子と雅子様がご婚礼の儀を執り行った日で,白田さんは(いつも同様)2時間くらい遅刻してきて,友人と雑居ビルの廊下に座って待っていたのを覚えている.

現れた実物の彼は背が高く,男前で,ラフトレッドの長髪で,当時出たばかりのグランドスラムの『INSIDE or OUTSIDE』の曲を鳴らしながら,がんがん弾いていて,本当に恰好よかった.サインももらって,握手もしてもらった(当時からミーハーである).今も相変わらず恰好良くて,ハードなギターを弾いているのを見て,うれしくなった.

先日なんばHatchで,そのkenさんのライブがあって,結構あちこちのブログにも書かれていた(リフが最高に恰好いいグランドスラムの「INTO THE NIGHT」もやったそうな).東京でも7月にShibuya-AXであるみたいだけど,チケットは売り切れなのね.まあメインのkenさんのことを,これっぽっちも知らないので(すいません),仮に行くことができても,よく分からないってことになるんだろうけど.また見てみたいなぁ,生白田さん.

幸福な時間が・・・

金曜5限の講義が終わった後というのは,幸せな時間である.1週間無事に(無事じゃないことも多々あるが)終わって,研究室でゆっくりコーヒーでも飲みながら,論文や研究書を読むのである.

今日もそんな感じでまったり過ごしていたのだが,夜10時を過ぎた頃,何やら外が騒がしくなってきた.何かが破壊される音が続いた後,けたたましいサイレンが鳴り響き,拡声器で叫ぶ声が聞こえる.なんか物騒だから,もうしばらく研究室にいようと思ったのだが,今度は警報機が鳴り出した.廊下に出て確認してみたが,私の研究室がある建物ではないようだ.窓を開けてみると,騒がしい音とともに,すごく焦げ臭い匂いがした.

間違いなく火事である.どこが燃えてるのかよく分からないし,のんびり本を読んでる場合でもなさそうなので,取りあえず家に帰ることにした.私の研究室から一番近い大学の出口は「西門」といわれる場所なのだが,明らかにそちらからサイレンとか警報機の音が聞こえるので,別の門から早稲田通りに出た.消防車だらけである.地下鉄の駅に向かう途中にもどんどん消防車がやってきていた.

帰宅してまちBBSで確認してみると,私の研究室がある建物のすぐ近くが燃えていたようである.正確な場所と被害状況はよく分からないけど,30分くらいで鎮火した模様.明日研究室に行く途中に通るときにどこが燃えたのか分かるかもしれない.

2009年6月22日月曜日

日本言語学会

更新を随分さぼっていたけれど(なんだか先週は精神的にぐったりするようなことが多かったもんで),先週末は神田外語大学で日本言語学会,今日は玉川大学でG-COEの講演に参加してきました.

梅雨入り後,雨ばっかりだったが,言語学会初日は太陽も出ていて,猛暑日だったとのこと.行きは総武線の幕張駅から歩いたら,結構距離があって,到着時にはへたってしまった.帰りは逆方向に歩いて,京葉線海浜幕張駅から東京駅経由で帰ったら,今度は京葉線のりばと東京メトロの大手町が,所謂「東京駅」の両端に位置しているので,すごく歩く羽目になった.「乗り換え」っていうのかな,あれ.しかし幕張ってのは,近未来都市みたいだな.土日でオフィス街ががらんとしているから,余計そんな雰囲気が漂っていた.あと帰りに舞浜で乗ってきた千葉ネズミーランド(冗談ですよ)帰りの人々のテンションがもすごくて,辟易した.有限状態文法のソースコードをちまちま読んでいたんだけど,あまりのノイズにあきらめてしまった.まあ気持ちは分からないでもないけど,子供じゃないんだから・・・.

言語学会初日の研究発表は中々楽しめたのだけど,首を傾げたくなるような発表もあった.(・・・後から読み返すと辛辣過ぎた気もするので,具体的批判は削除することにしました.ああいう発表が今後ないことを祈ります)

今日は,言語学会の公開シンポで来ていたRizziその他の発表が神田外大で引き続きあったようだが,上述したように玉川大学にもグローバルCOE関係でカナダのマクマスター大学からDaphne Maurerさんが共感覚について講演に来ていたので,私はそちらに顔を出してきた.割と少人数のこじんまりした講演だったけれど,内容はひじょうに面白く,勉強になった.共感覚と言語の起源あたりの議論は,あまり知らなかったので,ちょっと文献を掘り下げてみたいところである.

そんなこんなで大学巡りみたいに,あちこちに行っているわけだけど,自宅には3月まで住んでいた永平寺町から住民税の請求が来ていた.東京だとゆうちょ銀行で払うしかないので,面倒である.まとめて払うと結構な額なので,ATMではなくて銀行の窓口でお金も引き出さないといけない.3時までしかやってないからとても不便である.クレジットカードで払えるようにしてくれたら,払う側と処理する側どれだけの人間の手間が省けることか.さらに,自動車運転免許の更新もしなければいけない.色々考えただけで嫌になるなぁ.

2009年6月15日月曜日

フラワーアレンジメント

昨日姉の義理の母親(義理の兄の母親.この関係を一言で表すことばはあるんだろうか)から,フラワーアレンジメントが届いた.この手のものを扱うお店を京都で経営している方なので,本格的である.ありがとうございます.

早速玄関に我が家の「ギャング」たちと一緒に飾らせていただいた.薄桃色の薔薇が使われていて,明るく上品で良い感じ.ギャングのうち,キウィ(ニュージーランド出身)とトロル(ノルウェー出身)は以前このブログにも登場したと思うが,真ん中の青いネコは今回初登場ではないだろうか.名前をピルチャード(Pilchard)といい,Bob the Builderという働く自動車がたくさん登場するイギリスで人気の子供向けアニメで,主人公Bobが飼っているネコである.

ピルチャードは購入以降数年間をイギリスで過ごし,奥さんが留学するときにオーストラリアについていき,帰国後福井に住み,今は東京にいる,我が家の古株である.背中を押すと「ニャー」と2回鳴く.青い見た目同様,中々クールなやつである.

2009年6月14日日曜日

誕生日

昨日6月13日は私の誕生日であった.欧米では13日が誕生日なんて,不吉なのかもしれないが,私の実家は父親以外全員13日生まれである.当たり前だが,だからといって特に不幸な目に遭ってきたということはない.

金曜日仕事から帰宅後,車で茨城の奥さんの家に向かったのだが,大泉学園付近で日本国旗を持った大勢の群衆がいて,警視庁の交通整理が行われていた.そのせいで大泉ICまで到達するのに,結構時間がかかってしまった.夜8時頃だったのだが皇族でも来ていたのだろうか.ちなみに戻ってくるときも,大泉学園付近は渋滞していて,通過するのに随分時間がかかった.保谷駅付近も例によって道が狭くて歩行者も多く,気を遣う.なんとかならないのかなぁ,あの辺.

三十路を越えると誕生日なんて正直どうでもいいのだが,奥さんが何かくれるというので,3着ほど夏用のシャツを買ってもらった.会社勤めの方はクールビズが広まってきているとはいっても,そこそこのフォーマルさは求められるようで,暑い時期は特に大変だと思うが,大学教員は普段着で出勤でき(まあスーツの人も結構いるけど),適当にその辺の服を着られて楽である.講義も会議もなければ,誰にも会わないので,Tシャツ,短パン,サンダルで行っても別に非難されることもない(と思う).

東京に戻って今朝は,友部SAで買った藁に包まれた本格的な水戸納豆を食べてみた.パックのやつと劇的に違うのかと思ったら,それほどでもない.ただ,豆の歯ごたえがあって,匂いが少し強めのようである.毎回これを買おうとは思わないが(処理が面倒くさい),中々おいしい.

奥さんは東洋大である研究会に行ってしまったので,私はのんびり家で本でも読んで過ごす予定である.特に健康を害することもなく,仕事や家庭で悩みもなく,のほほんと生きていけることに感謝をせねばならない,とまた一つ歳を重ねて一応思ってみる次第である.

2009年6月9日火曜日

WWDC

昨日はAppleのWWDCということで,いつも通り仕事を終えて帰宅後,その模様をネットで視聴してみた.当然スピーカーはSteve Jobsではないので残念ではあるが,内容的にはSnow LeopardとiPhone OS 3.0で盛りだくさんといったところか.私は現状のiPod Touchで満足しているので,新しいiPhoneにすることはないけど,Snow Leopardは良さそうだなぁ.自宅のMacBook(これも今回のラインナップではMacBook `Pro' 13 inになったのね)と研究室のiMacと併せて$49でアップグレードできるみたいなので,しばらく様子をみて評判が良さそうなら,アップグレードしよう.

今日は講義が4時過ぎで終わる日で,時間的に余裕があったので,先日採択通知がきた特定研究課題助成を使って研究に必要な本を選定していた.取りあえずアマゾンで洋書を5冊,生協で和書を5冊注文させていただいた.6万円ほどの出費(今更ながら思うが研究書は高いねぇ).これから粛々と研究を進めたいと思う.

写真は少し前に買って飲んで忘れていたエビスの限定醸造「超長期熟成」というやつ.通常のエビスの2倍の時間をかけて熟成したとのこと.まあおいしいけど,これはエールと解釈していいんだろうか.そうならば他にもっとおいしいイギリスやアイルランドのエールがあるからなぁ.ラガーだとすると通常のエビスやエビスホップの方が好きかなぁ.ちなみにこれを買ったときに,くじを引いたら当たりが出て,キリンの糖質ゼロとかいう訳の分からない発泡酒をもらった.ちょっと飲んでみたけど酷いね,これは.麦茶を炭酸にしたみたいだ.需要があるのかねぇ,こんなものに.

2009年6月8日月曜日

クワガタ

先週土曜の晩,おいしいインド料理が食べたいねと話していて,ネットで検索してみると,田無駅の側に中々評判の良い店があったので,青梅街道を歩いて行ってみた.その途中小さいクワガタが自販機の前をうろついているのを発見.東京とはいってもこの辺は北多摩で大きい木とか公園が多いので,割と普通のことなのかもしれないが,クワガタなんて見たのは久しぶりである(福井でも蛍はよく見たが,クワガタは見たことなかった).

結局インド料理店は混んでいたので,そのすぐ近くにあるタイ料理店に入った.ヤム・ウン・センがものすごく辛かったが,中々おいしい店であった.田無は割と飲食店があるので,また探索してみよう.

そういえば,ネットを徘徊していて,筋少の初期作品がデジタルリマスターで再販されると知った.『SISTER STRAWBERRY』は昔買い逃して後悔してたから,忘れず購入しよう.その流れで横関敦は最近何しているのか調べてみたら,『JET BEST』なる25周年のベスト盤を出していた.『DINOSAUR』とか『SEA OF JOY』とか高校生のときカセットに入れて通学中にウォークマンでよく聴いてたし,欲しいなぁ.iTunes Storeで販売してくれるとありがたいんだけどなぁ.

2009年6月3日水曜日

スパム?

近頃スパムなのか,フィッシングなのか,本気なのか判別しにくいメールをよく受け取る.「あなたの博論を出版しませんか」とオファーしてくるドイツの無名の出版社(少なくとも私は聞いたことない)とか,「linguistlistであなたのことを知りました.ぜひ我々のプロジェクトに参加してください(私の専門に全然関係ない)」とか誘ってくるアメリカの企業とか,「イラクの図書館には本が不足しています.早急にあなたの論文を全部送って下さい」といきなり要求してくる自称イラクの大学教員とか.

こういうのは,不特定多数に同じメールを送っているわけではないし,一応細かい専門領域は知らないまでも私が誰か分かって連絡してきているので,スパムとは言えないのだろう.ただ,何か詐欺めいたものがあるかどうか微妙なので,取りあえずこの手のものは全部無視することにしている.真剣に送ってきているのなら申し訳ないと思うが,やはり頼み方というのがあるだろう.

会ったこともない人間にいきなりメールでコンタクトを取るというのは,結構難しいものである.大学院生の頃,ギリシャ人の友達とケンブリッジの学会で会ったときに意気投合してYork-Essex Morphology Meeting(友人がヨーク大で,私がエセックス大にいたので)というのを立ち上げたことがある.2003年のことである.今思えば,よく学生2人であんなことしたなぁと思うのだけど,イギリス言語学会に資金援助のお願いをしたり,会ったことのない有名な学者たちにも発表に来てもらえないか交渉したので,無礼で無味乾燥になりがちな電子メールを使って,どのようにこちらの誠意と熱意を伝えるかというのを意識した.よい社会勉強になったと思う.

閑話休題.先月さらっと申請した大学内の特定研究課題助成金が採択されたと連絡がきた.ちょうどそろそろまとめに入らないとなぁ,と思っていた研究があるので,それに使わせていただこうと思っている.今年度末までのものだし,そんなに大袈裟な助成ではないので,国内学会で多少発表しようかしら.実は日本語で研究発表したことないんだよな.さて,どうしたものか.国内学会で英語で発表するというのもありなんだろうが,なんか変だしな.

2009年6月1日月曜日

英文学会

先週末は日本英文学会が予定通り東大駒場で開催された.英文学会は,言語学系の発表はそれほどたくさんはないのだが,結構頻繁に参加している(うちの奥さんが英語文学が専門なので,ついでに同行しているという感もあるが・・・).

今回はあいにくの悪天候だったが,開催校が東大ということもあって,結構な参加者数だったようである.私も2日とも参加したのだが,初日は類型論絡みのシンポジウムが中々面白かったものの,2日目は個人的にはなんだか実りの少なくて残念であった.あとは出版社の書籍展示が割とたくさん開かれているので,研究費で3冊(くろしお出版2冊,ひつじ書房1冊)注文して,大学に送ってもらった.くろしおから買った角田太作さんの『世界の言語と日本語:言語類型論から見た日本語』の改訂版と土屋俊さんの『言語哲学コレクション2:心の科学の可能性』は,もう届いていた.まったく毛色の違う2冊であるが,どちらも面白そうで,読むのが楽しみである.

本と言えば,先日話題にした村上春樹の『1Q84』を発売日前に買ったのだが,週末が学会だったので,まだ上巻すら読み終えていない.学生時代なら,大学をさぼって徹夜で読んだだろうが,さすがに今やると仕事に支障が出るので,細切れな時間でぼちぼち読むしかない(それでも寝不足になるのだが).学部生のときに恩師が「学生時代は夢中になって本を読みなさい.それで授業をさぼったって構わない」と授業中に学生に向かって話していたのを思い出す.まったく同感である.多感な時期のむさぼるような読書体験は,そのときにしか得られない財産になる.そんなことができるのは,大学生の時期くらいなのかもしれない.
 
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