2010年3月21日日曜日

熱川温泉

新年度前最後の3連休ということで,久々に旅行に行ってきた.とは言っても,遠出は疲れるので近場の伊豆に車でさっと行って,温泉に浸かって,美味しい魚を食べて,1泊2日で帰ってこようということになり,熱海・伊東からさらに南に下った熱川温泉に行くことに.

ただ夫婦揃って東京の混雑というのに無知であるため,甘く見ていたようである.家を朝10時過ぎに出て,東名に乗るため一番近い東京ICに向かったのだが,吉祥寺を過ぎて井の頭通りから環八に入ったところで大渋滞.主要道路とあちこちで交差して車が流入してくるせいか,ちっとも動かない.2時間経ってもろくに進まないので,とりあえずファミレスで昼食(トイレに行きたかったというのもあるが).

やっと1時過ぎに東名に乗ったのだが,交通情報によると東京料金所で玉突き事故,さらに横浜町田ICを越えたところで大型トラックと乗用車の事故があったらしく,渋滞30km.絶望感に襲われつつ,なんとか4時頃海老名SAに到着.この時点で予定していた観光は諦め,とりあえず夕食時までに旅館につくことを目指す.

幸い渋滞は解消していたので,スムーズに小田原厚木道路に入る.70km/h制限のこの有料道路はどうも覆面取締のメッカらしく,あちこちで捕まっていた.熱海付近の国道135号は混雑すると聞いていたので,予定通り小田原西ICで降りて,カーグラTVの撮影場所である箱根ターンパイク(TOYO TIREターンパイク)と伊豆スカイラインという山道ルートを通ることにする.予想以上にアップダウンとカーブが激しい道であるのに加え,山の上は突風で煽られるし,濃霧で視界が悪く,運転に気を使う.さらに伊豆スカイラインを終点の天城高原ICまで行くつもりが,一つ手前の冷川ICで降りてしまい,林道かと思うような狭くて曲がりくねった急勾配の道を行くことに.変速ばかりしているので,さすがにシフトを入れる腕とクラッチを踏む左足が疲れる.

午後6時頃城ヶ崎海岸手前で国道135号に入って南下したのだが,またまた伊豆高原を過ぎるまで渋滞でノロノロ運転.ここの渋滞は交通量というより信号などの構造上の問題によるものに思える.なんとか午後7時に旅館に到着.東京から伊豆まで実に9時間弱である.

宿は部屋や浴場からの相模湾の景色が素晴らしく,料理も伊豆特産の伊勢エビ,アワビ,金目鯛などに舌包みを打ちつつ,地元の「あらばしり」という日本酒もいただき大変満足できるものだった.熱川温泉は湯質もとても良いみたいで(ちょっと湯温が高いけど),お肌もすべすべである.

日曜日は昼から夕方にかけての渋滞にはまるのはもう嫌だったので,観光もせずにさっさと帰ってきた(とは言っても,東京ICの出口,環八の渋滞にははまったのだが).どうせ観光して回らないのなら,連休時の伊豆は電車で行くべき,というなんだか妙な教訓を得た温泉旅行であった.空いていれさえいれば,山道も海沿いの道も気持ち良いんだけどなぁ.

2010年3月17日水曜日

日本語コーパスワークショップ

今週は月・火と東工大の蔵前会館で,科研費特定領域研究「日本語コーパス」のワークショップがあったので,一部に参加してきた.東急目黒線というのは初めて乗ったのだが,どの駅もピカピカで広々としたホームには防護柵があって,心地が良い.私が通勤で常用している西武新宿線とはえらい違いだ(狭くて毎晩人が溢れそうになっている高田馬場のホームをなんとかして欲しい).昼食時に東工大がある大岡山駅の商店街をうろうろしてみたが実に感じが良かった.八百屋,魚屋,肉屋,豆腐屋,米屋,酒屋が並んで普通に賑わっているのは,結構珍しいのではないだろうか.

私はデータ処理やツール作成などのコーパス自体の研究というのはやっていないが,理論的研究に統計的な視点を加えるのには興味がある.特に形態論,レキシコンの研究というのは,母語話者の直感(内省)があまり当てにならないことも多いし,使用頻度が語彙構成に与える影響というのは認知科学的な研究では無視することはできないので,コーパスの存在はとてもありがたいものである.ただ大規模なコーパス構築には人的労力が膨大になるため,今回の領域研究というのはその意味でも意義深いものである.利用する立場の我々研究者もプロジェクトに関わっている各分野の方々に感謝せねばならない.

今回のワークショップの導入で言及されていた,素人的視点の「コーパス構築は業者に委託すればいい」や「コーパスは役に立たない」といった的外れの批判もこれまであったようだけれど,国立国語研究所も独立行政法人から大学共同利用機関法人になって,運営が比較的スムーズに行きそうとのことなので,がんばっていただきたい.

2010年3月14日日曜日

EELC2010

先週末からprogramme chairをやっている学会でprogramme committeeに入ってもらう依頼のメールを色んな人に90ほど送り,返事に対応するという割とこまめな仕事をしていた.面識がない人に頼みごとをするのは割と気を使うのだが,イギリス時代の知り合いなんかにもコンタクトが取れて結構楽しい一面もある.一応それが一段落し,3月10−12日の3日間に渡って,キャンパスプラザ京都で言語進化のセミナーJAIST-EELC2010があったので参加してきた.

Tecumseh Fitchの音声・統語に関して,系統発生的視点,および同種の特性の異なる進化系統間の比較から得られる知見を分かりやすく丁寧にまとめた発表は,実に分かりやすく有益であった.Cedric Boeckxは,個人的な偏見と無知でもっとゴリゴリのミニマリストな論を展開するのかと思っていたのだが,言語学者が分野横断的な言語進化の研究をする際のポイントを的確に論じていて,共感する点が多かった.Cedricは30代にして10冊の本と100本の論文を発表していると紹介されていたが,いやはやすごい人もいるものである.

私自身は言語進化に関しては,PhDを取って以降興味があってフォローは一応してきているが,言語学者としてどう関わるかに明確な態度を示すことができないので,積極的な研究というのはしていない.これまでやってきた「言語理論」を全面に押し出した論を展開してもあまり意味がないし,かといってひじょうにgenericな形での主張をしても言語学専門の研究者としての意義のある貢献になるのかと自問してしまう.この辺のバランスがひじょうに難しく感じる.レキシコン関係でモデルを構築していけば,今やっている形態論の研究とも接点が持てる気がするが,基本的に実験系ではなく理論系の方が好きなので,悩ましいところである.

2010年3月5日金曜日

変わり目

3月に入り日中は気温も結構上がり,近所の猫たちが徘徊する姿も見えるのだが(私のお気に入りの顔の白い黒猫がいないのが気になるが),寒暖差が大きく微妙に体調を崩してしまった.幸い安静にして睡眠をたっぷりとって,本格的に寝込むことにはならなかったのだが,季節の変わり目は気をつけなければならない.

1日は午前中から夕方までいくつか会議,夜は退職者歓送会と「年度末」という空気だったが,3日には新入生向けガイダンスや来年度の打ち合わせをしたりして,もう「新年度へ向けて」という雰囲気になってきた.昨年までは公立大にいて3月はまだ12日に後期入試が控えていて落ち着かない感じだったせいもあって,感触がかなり違う.また去年の夫婦がそれぞれ別の場所に引っ越ししなければならないという慌ただしい状況に比べると,今年は多少落ち着いた生活である.

ただ研究室をとなりの建物に移動することになっているので,こちらの荷物の梱包移動などをしなければならない.早稲田に移って,研究費で本を買うようになったので,そこそこ荷物が増えていて面倒かもしれない.いつ移動なのか現時点で不明なので,まだ何もしていないのだが,運搬くらいは業者に頼もうか,自分で運ぼうか迷うところである.


 
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