2009年11月24日火曜日

意見表明

世間は昨日まで3連休だったそうだが,私は休みもなくせっせとやるべき業務をこなしていた.そもそも月曜日の勤労感謝の日は大学は通常業務.我々の勤労は感謝されていないと言うことか・・・.まあ,そもそも普段から土日祝日も何かしらの形で仕事をしているので別にいいのだが,時間的・場所的制約がかかる業務が週末にあると,我が家のような別の場所で暮らして,それぞれ働いている夫婦は週末に会うことができないので,結構つらいものがある.最後に会ったのはいつだったかなぁ.

さて,もう終わったことだし,事業仕分けによる科研費若手の減額についてはあきらめていたのだが,日本認知科学会の会長から内閣府と文科省に意見を書くことができるので是非行動を,とMLに投稿があったので,両方に削減撤回を要求しておいた.仕分けのプロセスがあまりに茶番だったのと,その後の報告が無知を露呈していたので,少し指摘せずにはいられなかったのである.旧七帝大と早慶の9大学の学長・総長も提言を行ったようである.内閣府の方はもう締め切られたが,文部科学省への意見はまだ受け付けているようなので,研究者の皆さんは送ってみてはいかがだろうか.

日本は政府による研究補助,教育投資は主要国の中で最低である,という事実はひょっとしてあまり知られていないのかもしれない.それを知った上で高速道路を無料で走ったり,子供手当をもらうために,科学・教育への投資をさらに減らせと国民が考えているのならしょうがないとは思うけど,本当にそうなのかね.このままずるずると日本の研究は衰退していくんだろうか.

2009年11月19日木曜日

シンボリックリンク

天気予報によると今日はひじょうに寒かったとのことだが,そうだろうか.東京って,あまり底冷えしないというか,しんしんと体の中心から冷えてくらくらするような寒さを感じない.ここ数年雪国に住んでいたから,相対評価でそう感じるだけかもしれないが,気温が同じでも京都とか北陸と寒さの質感が違う気がする.湿度とか日照時間とか風とか複合的な要因でそう思うんだろうか.あるいは,単に断熱や空調に優れた場所が多かったり,人が多かったりするだけかもしれない.

閑話休題.またLaTeX絡みのメモ.私は研究室ではiMac,自宅ではアルミMacBook(今で言うPro)を使っているが,追加したスタイルファイルや文献データベースのbibファイルは,それぞれホームディレクトリ直下にtexmfを作って,そこに放り込んでいる.なので,一方のコンピュータでスタイルファイルを追加したり,文献をデータベースに追加すると,もう一方のコンピュータにコピーしなければならない.これが面倒である.コピーし忘れて,コンパイルでエラーが出たり,文献が見つからないとTeXに怒られたりすることも多い.

そこでDropboxにホームディレクトリ直下のtexmfからシンボリックリンクを貼ると,勝手に同期してくれるのではないか,と思い試してみた.予想は当たり見事にちゃんと同期してくれる(当たり前なのかもしれないが).やり方は,通常のUnixのシンボリックリンク貼り方に従ってターミナルでln -s ~/texmf ~/Dropbox/texmfと打つだけである.実にありがたい.ますますDropboxにぞっこんである.

2009年11月17日火曜日

日本英語学会09

先週末は英語学会.開催地は母校の大阪大学である(学部しか行ってないけど).前回阪大を訪れたのは,千里阪急ホテルで結婚式を挙げた翌日に車で寄ったときだったと思う(奥さんが研究室に本を返しに行ったんだったかな).その後,箕面で猿を見ながら山道をドライブして,山の上にある神社でうどんを食べて,自宅に戻った.新婚旅行というものに行っていないので,今思えばあれが新婚旅行だったのかもしれない,と今でも夫婦間のネタになっている次第である.

話が大きく逸れたが,石橋方面から阪大坂を歩いて登ったのは,多分卒業してから初めてということが言いたかったのだ.まさか坂が全面石畳になって,池が埋め立てられ,さびれた旧看護学科跡地(だったかな)になんか博物館のようなものが建っているとは・・・.随分な変わり様である.ネコがうろうろしているところは変わっておらず,安心したが(狩りをして捕らえた鳩を自慢げにくわえて歩いている黒ネコがいた).

学会の開催場所だった共通講義棟というのは,私が学生だった頃はA棟しかなかったのだが,廃屋のようだったロ号館(名前がいかにも昭和である)がつぶされてB棟とC棟とかいうのが建っていた(イ号館は確か文化財なので健在だった).ただそこは国立らしく,新しく建ててもろくにメンテや掃除をしないので,すでにどことなく寂れていた.最初に発表を聞きに行った教室なんて,小学校みたいな机と椅子で,なんだこれはと思ったら椅子の後ろに「ロ号館」と書いてあって爆笑してしまった.ひょっとしたら12年前私がドイツ語の講義で熟睡していた机と椅子かもしれない.

専門分野のずれもあって,それほど個人的に心躍る発表はなかったが,日本英語学会は日本に知り合いの少ない私でも比較的面識のある人がいるので,中々参加していて楽しい学会だった.学会運営に関しては,色々疑問に思う点もあるけれど,多分同じようなことを私に近い年代の人たちは思っているだろうし,これは時間でしか解決できないだろう.あと10年くらいすると,かなり変わるかもしれない.

それにしても私は言語学者だから疑問に思うのかもしれないけど,日本英語学会にとっての「英語学」ってなんなんだろう.多くの発表が英語以外の言語についての研究だったと思うのだけど.実質は日本「英語学及び理論言語学」会と解釈すべきなのだろうか.こんなことを考えながら,新幹線に乗って東京に戻ってきた.

最近は色々やることがあって,学会前の金曜日も学会後の日曜日もほとんど寝ることができず,これから年末までも大体週末まで予定が入っていて慌ただしい.寒くなってきたし,取りあえず体調を崩さないようにしないといけないなぁ.

2009年11月10日火曜日

Beamer覚え書き その2

本当はウェブサイトの方を更新する方がいいのだが,面倒なので取りあえずここにまたLaTeX Beamerの覚え書きをしておく.

講義や学会発表でPDFでスライドを作った際,配付資料をどうするかという問題がある.言語学はデータが多いので,スライドだけというのはかなりきつい(特に言語類型論の講義なんかでこれをすると学生に不評になること間違いなしだ).ただ,個人的にパワーポイントのスライドをそのまま1ページに6-9枚くらい印刷したようなハンドアウトは嫌いである.小さくて見にくいし,順番が分かりにくいし,参考文献が載ってなかったりするのも多く,最悪だ.ちゃんとしたハンドアウトが作りたい.Beamerの場合,かなり簡単にこれが実現できるので,忘れないうちにそのメモ.
  • プリアンブルの\documentclass[...]{beamer}を\documentclass[...]{article}に変える.
  • このままだとBeamer特有のコマンドでエラーが出るので,\usepackage{beamerarticle}と書いてbeamerarticle.styを読み込む.
  • オーバーレイでカウンターをリセットする\resetcounteronoverlays{...}のコマンドを使っている場合,消すかコメントアウトしておく.
  • \titlepageを\maketitleに変えて,スライドのタイトルページを普通のタイトルにする.
  • 普通ハンドアウトに目次はいらないので,\tableofcontents{}を消すかコメントアウトする.
これでコンパイルすると,ほとんど問題なくごく普通のハンドアウトができあがる.これは便利だ.

2009年11月9日月曜日

事業仕分け

11月は落ち着きそうなんて言っておきながら落ち着くどころか益々慌ただしくなっている.このまま師走を迎え,年明け(=学期末)になり,入試シーズン,年度末という難所をくぐることになるんだろうか・・・.まあ世の中そんなもんだよな.

科研費は出した後は忘れようと書いたのに,ウェブのニュースで関連する話題が目に入ってしまった.政府が打ち出した事業仕分けなるものの文科省のところを見ていたら,ばっちり科研費若手が対象になっている.別に政策上優先順位の高い方にお金を回したいから学術研究予算を削るというのは,日本国民の大多数がそれを選んだわけだから文句を言うつもりはないけれど,こういうのは募集前に発表してくれないかな.先日申請書を提出させたばかりなのに.基盤も対象になるんなら特に問題ないけど,今回は若手全般と基盤Sだけのようだし.万が一若手だけ予算大幅削減になるんなら,基盤A, B, Cに出したのに,という人もいるだろう.これが申請書提出直前に発表された若手Sの応募停止だけに収まるというなら別にいいんだけど,募集段階でどの分野で削減の可能性があるかだけでも事前に説明をしないのはなぜなんだろうねぇ.現総理は大学教員出身のはずだけど.あと学振の特別研究員は削るのはやめた方がいいんじゃあ.オーバードクターが増えて博士が100にんいるむら現象が加速したら,ちょっとただ事じゃすまなくなるのでは.

閑話休題.先日通勤用の鞄を新しいものに替えた.前のやつ(写真右)は4年近くも使っていて,型くずれも激しく,くたくたになっていたので,何かいいものはないかと物色していたのだ.条件は1) B4が折らずに入る,2) 外ポケットに薄い書類やクリアファイルが入る,3) 別の外ポケットに携帯とiPod用の小物入れが2つある,4) 内側に薬とか極小折りたたみ傘とかが入れられるポケットが2, 3個ある,5) 底に鋲が打ってあって地面に躊躇なく置ける,6) カジュアルでもそこそこフォーマルでもいける.これをすべて満たす品は中々見つからなくて,結局前の鞄と同じメーカー(Apiana)になった(写真左).

なんだか前の鞄の革と布の部分をそのまま反転したような感じだが,使い勝手はよく,作りもしっかりしていていい感じ.強いて難点を挙げれば,心なしか前のものより大きいので,電車で膝の上に載せて座ったときなどに,隣の人に干渉しそうで気を遣うくらいか.今後3年くらいは使いたいところである.
 
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