2010年5月29日土曜日

iPad到着

日本中の人がブログに書いている話題とは思うが,我が家にも発売日の5/28にiPad (wi-fi 64GBモデル) が到着した.普段金曜日は午後6時に授業が終わった後,週末に持ち込みたくない細々とした仕事をダラダラと片付けてから帰宅するのだが,昨日は午前中にクロネコさんから不在配達通知がメールで来て,ウェブで午後8時から9時の間に再配達に来てもらうようお願いしてあったので,さっさと大学を出て,急いで夕飯の買い物をして,帰宅した.ドアに挟んであった不在配達通知票に,配達の人が「品名: iPad?」と書いていたのが可笑しかった(外箱からは分からないけど,同じiPadの配達が結構多いのだろう).我が家はクロネコの集配センターのすぐ近くなので,帰宅後ほどなくして持ってきてくれた.

実は特に発売を心待ちにしていたというほどでもないので(でかいiPod touchくらいに思っていた),土曜日に再配達してもらってもよかったのだが,ニュースで銀座のアップルストアに行列とか,Twitterで手に入れた人の感想なんかを読んでると,何か当日手にしないと損した気がするというミーハーな感情がむくむくと沸き上がってきたのである.そして実際手にしてみると,これは・・・.

いやぁ,結構衝撃的だった.初代iMacを触った時も,はんぺんiBook G3でOS Xを動かした時も,iPod touchを初めて使った時もAppleの革新的な使い心地を感じたけれど,このインパクトは凄い.タッチパネルなんて,それこそ銀行のATMや定食屋の券売機にも導入されていて,普段から触れているものだけれど,だからこそこのiPadのレスポンスの心地良さが実感できる気がする.Safariもさくさく動くし,メールもカレンダーもiPod touchとは桁違いの使いやすさである.

iPadの最大の売りの1つである電子書籍も,iBooksやi文庫HDで使った限りでは,pdfも含めすこぶる快適に読むことができた.仕事上のとある事情で2年ほど前,当時米国で本格的に売り出し始めたKindleやその他の電子書籍リーダーをかなり詳しく調べたことがあるのだが,それらと比較しても,タッチパネル同様既存のインターフェイスをまるで新たな体験のように感じさせる使い心地の良さには唸るしかない.
一緒に専用ケースを注文していたので,角度をつけてソフトウェアキーボードの使い心地も試したのだが,こちらは机に置くならもう少し角度が欲しいところである.特にグレア液晶がかなり光を反射するので,真上に照明がある私の自宅リビングのような環境では,結局膝の上に置いて使わないと画面が見にくい.ソフトウェアキーボード自体の使い心地は中々良好である.これで論文を書こうとは思わないが,メールくらいなら今後MacBookを使う必要もないくらいである.

今後どの程度iPadや似たようなデバイスが広まるかは分からないが,少なくとも電子書籍はかなりの勢いで普及するだろう.学術書出版業界は,いつの時代も採算が厳しいと言われているが,だからこそぜひ学術書の電子書籍化に積極的に取り組んで欲しい.大学生協書店がインフラを提供して,各学術出版社が電子書籍を生協のサイトを通じて提供し,研究者が簡単に研究費で決済できるなんていう仕組みをなるべく早く確立していただきたいと思う.

大学の講義も,このような端末がノートのように普及すれば,いちいちハンドアウトをコピーして講義室で配布するなんてことはしないで済むかもしれない.今でも当然講義資料は電子ファイルで利用出来るようにはしているが,やはり講義のはじめに「今からこれをダウンロードしてね」なんて指示することはまだ現状では不可能である.実現すれば印刷と配布の手間も省けてとても楽だし,紙とトナーの節約にもなるだろう.

2010年5月25日火曜日

横浜

なんだかポカポカ陽気の春なんてちっともなく,異常な寒さの後はうだるような暑さと梅雨のようなじめじめした気候が交互にやってきているような気がする.忌々しい.

今日は比較的好天気だったので,2コマ授業をした後,図書館で論文をコピーし本を借り,研究室に戻る途中に生協の本屋でお茶の水大学の戸次大介さんがお書きになった『日本語文法の形式理論』を購入した.理論系と情報系のバランスがうまく取れていて,かつ細かくデータを扱っていて,とても面白そう.ぼちぼち読みたいと思う.

昨日は生憎の悪天候だったけれど,研究打ち合わせで横浜の新社屋に移転した富士ゼロックスにお邪魔してきた(これを書きながらふと思い出したが,私の学部時代の同級生が富士ゼロックスに入社していたはずだが,彼女は社内でどういう仕事をしているのだろう).皆さんとても優秀な方々なので,打ち合わせは面白くて,今後どういう方向に進めていこうかと考えるだけでも楽しみである.

打ち合わせ終了後,みなとみらいに夕食に繰り出す前に,博物館のように色々展示物があるロビーをうろうろしていたのだが,そこにPARC(Palo Alto Research Center, ついCentreと書きそうになる)の1973年のコンピュータが展示してあった.適当に写真を撮ってしまったので,ピンぼけで変な構図になっているけれど,とても存在感がある. これは40年近く前のものだが,今のテクノロジーの産物で,40年後にこうして展示するような「モノ」はあるのだろうか,とふと考えてしまった.iPad? 3DのTV? 展示物としてはいまいちピンとこない.革新的な技術がモノではなくなっているからかもしれない.Googleの検索サイト公開の瞬間とか,展示できないし.

くしくも,富士ゼロックスの社屋に行く途中,日産の豪勢なビルを通ったが,軽自動車が展示してあって,そのギャップにちょっとのけぞってしまった.ディーラーじゃないんだから,歴代のGT-RとZをすべて展示して欲しいなぁ.日産の誇るべきものは,そこにあるんじゃないのかしら.

それにしても,横浜って神戸みたいなもんだろうと思っていたけど,全然違うのね.横浜はピカピカ,ギラギラ未来都市の雰囲気で結構インパクトがあった.震災復興後も元々のこじんまりした佇まいのある神戸とは,同じ港町でも随分と違うもんだ.どちらが好みかはあえて言わないけど.

2010年5月19日水曜日

ファイブスター

この前パスポート更新の話を書いたが,どうも期限が切れてしまうと,更新ではなく新規作成になってしまうらしく,また戸籍抄本などがいるとのこと.私は本籍地が離れているので,以前にも書いたように結構面倒である.自動車の運転免許も留学中に失効してしまって(長年帰国できなかったんだから更新の仕様がない),一から取り直す羽目になったが,「またか」という感じである.まあパスポートは偽造なんかの問題もあるし,仕方ないのだろうけど.

昨日,今日と所用があって新宿サザンテラスのFedEX Kinko'sに夕方行ったのだが,その近くには新宿みやざき館KONNEというのがある(ちなみにサザンテラスには広島ゆめてらすというのもある).宮崎の特産品を買うことができたり,冷や汁とか地鶏炭火焼きなどが軽く食べられたりするところである.「あぁ,口蹄疫で大変だなぁ」と思いながら通り過ぎたのだが,先ほどネットで調べてみると,募金を集めているとのこと.ある意味自然災害みたいなものだし,畜産農家の人も大変な思いをされているようなので,今度通ったときは募金しようと思う(ついでに冷や汁と地鶏も食べて,親父に渡す焼酎でも買おう).それにしても,同じサザンテラスにあるKrispy Kreme Doughnutsはいつも結構並んでいるが,そんなに美味しいのだろうか.並んでまで買うなんて,なんかドーナツ的でないような気がするけど…

このブログでは新しいビールが出ると,とりあえずその感想を書いているような気がするので,一応サッポロのファイブスターも載せておこうと思う(プレミアムモルツのグラスに注いで,スタバのコースターに載せているのはご愛嬌).結論から言うと,まあなんてことない.プレミアムビールのパイオニア,サッポロビール園でしか飲めない,ドイツ風の本格的な高濃度,との謳い文句で,確かに(あまり私が好きでない)ドイツのレーヴェンブロイに似ているような気がする.昭和47年にヱビスの発売に伴って,販売をやめたそうだが,確かに個人的には普段愛飲しているヱビスの方が,コクと深みがあって遥かに美味しいと思う.イベント的にこういうのも復刻させるのもいいけど,頼むからサッポロはエーデルピルスを常時販売して下さい.2008年の限定販売以来,再販売を心待ちにしております.別に大々的に宣伝せずに,キリンのハートランドみたいに,ひっそりと売ってくれればいいので.

2010年5月18日火曜日

パスポート

ちょっと時間が経ってしまったが,先日予約開始と同時にiPadのwifi 64GBをApple Storeで注文した.Twitterで大学生協では当分扱わないという情報が流れていて,Education Storeでも通常と同じ価格だったので,おそらく一般向け販売だけでいっぱいいっぱいなのだろう.一応奥さんに買っていいか確認したところ「買わないと,どうしようどうしようと言ってうるさいから,さっさと買ってくれ」ということだったので,遠慮なく最上級のモデルとケース,アダプタを注文させていただいた.

MacBookは重いので,これで学会出張などのときiPadだけで行けるようになるとひじょうに嬉しいのだが,まだその辺は未知数である.iPod touchだけだときつかったメールは問題ないだろう.書類もPagesでいけるかもしれない.プレゼン資料なんかは私は全部pdfなので大丈夫.LaTeXを動かすのは無理だと思うが,良いテキストエディタはそのうち出てくるのではないかと思う.あとは,期待通り本や論文が快適に読めて,電池が長持ちすればそれで十分である.5月28日が楽しみだ.

学会出張と言えば,今朝メールが来て,9月にイギリスのリーズであるLAGBで学会発表することになった.LAGBは2002年まだ修士の学生時代に,マンチェスター工科大で生まれて初めて学会発表をした私の中では中々思い出深い学会である.その後大学院生時代にシェフィールドやケンブリッジを含め3回発表したのだが,しばらくご無沙汰していて今回は実に5年振りである.本当は一昨年私の母校のエセックス大学で開催されたときや去年エディンバラ大学であったときにも発表したかったのだが,中々スケジュール上折り合いがつかず断念していたので,今年久々に発表できそうで嬉しい.元指導教官にも会えるだろうし,Joan Bybeeが招聘なので,それも楽しみである.

と考えていると,パスポートが切れていることを思い出した.今持っているものは1999年末,大学3年生の終わりから1年間オーストラリアのANUに留学するときに,生まれて初めて取得したものである(英語は使うことができたが,それまで一歩も海外に出たことがなかったのだ).改めて見てみると,当時は体重が40kg台後半のガリガリで(身長168cm),写真なんて全然身分証明になっていないくらい違う.住所もここ10年で日本国内で5回,オーストラリアで2回,イギリスで2回変わっているので,どれが正しい住所なのか分からない有様である.

ヴィザを見ていても色々思い出す.緊張しながらオーストラリア大使館でまっ更なパスポートに学生ヴィザを貼りつけてもらったり,イギリスで研究員になるときに,移民局に電話をかけまくって予約をして,早朝から夕方までまるで囚人のような扱いを受けながら面接を受けて,驚くほど高い手数料を払って発行してもらった就労ヴィザなんかが貼ってある(確かに写真付きの立派なものだが).

アメリカのフィラデルフィアのやたらしつこい入国審査や,中国系の警備員に呼び止められて訳の分からない質問をされたせいで危うく飛行機に乗り損ねそうになったことも思い出す(ヨーロッパとあまりに扱いが違うので,アメリカなんか二度と来てやるかとその時は思った.単なる運だろうけど).その他の入国印を見ると,今経済的に大変な状況にあるギリシャや,カフェがやたら大麻の匂いがするオランダ(ユトレヒトは本当に美しい街だったが),腹が立つほど物価の高いノルウェーなんかも思い出す.イギリスに住んでいると地理的にヨーロッパ諸国が近いので,割と気軽に学会でいろんな国に行かれたのは,幸運だったと思う.

そんな10年間が詰まったパスポートを更新するのも何か寂しい気がする.それにしても,日本からだとやはりヨーロッパは遠く感じる.5年近くの留学中,1度しか日本に帰国しなかった(しかもニュージーランドで学会発表する途中に寄っただけ)のも,まあうなずけるのではなかろうか,と自己正当化してみたくなる距離である.

2010年5月11日火曜日

国研コロキアム

GWも私はぽつぽついくつか打ち合わせが入り,奥さんも仕事があったりして,なんだかよく分からないうちに終わった.まあ春の連休の教訓もあるので,特にイベントもなく過ごすというのが正解だとは思うが.

先週末は早稲田の高等研究所の知り合いが誘ってくれた国立国語研究所のコロキアムに行ってきた(Google検索でいまだに旧ページがトップにくるのは,どうにかした方が良いのではないだろうか).今回のコロキアムは,私も元指導教官のAndrew Spencerを経由して間接的によく知っているAndrej Malchukovのトークである(AndrewとAndrejはThe Oxford Handbook of Caseの共同編集者である.Elsevierから出ている本に私とAndrewの論文とAndrejの論文が一緒に載っていてお互い知っているというのもある).

いつもとは逆方向の電車に乗って,玉川上水で多摩モノレールに乗り換えて高松という駅で降りたのだが,道路も歩道・自転車道も広く,無機質な建物群と広々とした芝生が目立っていて,なんだか「つくば」とか「けいはんな」に似た雰囲気の場所である.ここにアメリカ軍がいたのか,と思いながら歩いていくと,ほどなくして国立国語研究所に到着.2005年に建てられたばかりで,名前のイメージとは裏腹にピカピカモダンな研究棟である.

トークは格についてで,広範なデータとそれらの機能的および最適性理論での分析が秀逸で面白かった.私は博士論文がまさに格についてなので,データ自体はほぼ全部身近なものだったが,私は数理的な分析が主なので,機能的なアプローチは中々新鮮であった(ちなみに日本ではなぜか機能的というと認知言語学的と考える人が多いようだが,何故だろう?).トークの後,他の参加者と一緒に立川で夕食+飲みに行くこともできて,そちらもひじょうに楽しかった.

格はなんせずっと博士課程の間研究してきたので,ここしばらくあまり食指が動かなかったが,やはり面白いテーマなので,またぼちぼちより深めた研究をやってみようと思う.類型論の講義でも,格は割と学生が興味を持つトピックだし.
 
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