2010年8月20日金曜日

モルツ・ザ・ビター

バタバタしているうちにお盆も終わってしまった.去年同様,大阪にある奥さんの実家に行っていたのだが,一時期は「もうだめか」と思われた犬が,目を疑うような復活を遂げていて驚いた.依然として色々健康上の問題はあるが,雑種というのは強いもんである.大阪では,特に目立ったこともせず(昨年末のように義父と浴びるように酒を飲んで記憶をなくすこともなく),ぼーっと3日間過ごして,東京に戻ってきた.

それにしても連日正気の沙汰とは思えない酷暑である.私は気楽な服装で,冷房の効いた室内に籠って仕事をしていればいいので,とても恵まれていると思うが,ネクタイを締めてスーツの上も着て,炎天下の中,営業などに回っている人を見ると本当に同情する.ああいう恰好で来られると顧客も見ているだけで暑く感じると思うのだが,半袖にノーネクタイかニットタイではいけないのだろうか.あれではまるで我慢大会のようである.帰宅時の電車も結構悲劇的な匂いが漂っているし.

そんな暑いときにはビールである.新しいビールが出ていると飲んでみることにしているので,先日やまやで見つけたモルツ・ザ・ビターを買ってみた.どうもこのモルツはイオン系の店でしか売っていないようで,昨年も限定発売されていたそうな.最近はプレミアムモルツは好調なようだが,普通のモルツの方はぱっとしない.昔は,居酒屋なんかでもモルツの生を出す店がもっとあったように思うが,近頃はあまり見ない.よく考えてみれば,和久井映見が「うまいんだな,これが」とCMしていたのは,もう15年近くも前である.私は,モルツはちょっと薄いというか水っぽい感はあるが,味は割と好きなので,このビターも楽しみにして飲んでみたところ,期待通り中々良い.サッポロのエーデルピルスとまではいかないが,こういう苦味がガッツリくるビールは好感が持てる.限定発売とか言わず,ずっと売って欲しいものである.

2010年8月18日水曜日

真鯛

先週は大学も一斉休業期間であった.去年は研究室が古い建物で工事をしていたせいか,休業期間は1週間停電断水で大学に来ることはなかったのだが,今年は一応研究室も使用できた(不便であるのに変わりはないが).一斉休業前は,今年はオープンキャンパスの模擬講義担当だったので,40分ほど認知科学としての言語学と言語類型論を絡めた話をしてきた.果たして法学部を志望している高校生に,どの程度面白さが伝わったかは分からないが,まあ現在の私だとあんなところだろう(終わった後,質問に来てくれた学生がいたのはうれしかったが).

こういう機会があると,一般向けに言語学を紹介する試みにはどういうものがあるのか気になるもので,研究室の本棚をぼんやり眺めていたのだが,実のところあまり一般向けの良い言語学の本というのはないのではないかという気がする.ネット配信されている映像でも,Steven PinkerのTED talk(すっかりLFGから離れてしまって寂しい)や以前このブログでも紹介したChristine KenneallyのAuthors@Googleのtalkなんかも改めて観てみたが,やはりちょっと一般向けと言うにはテクニカルだし高度である.書籍では,PinkerのLanguage Instinctはよく勧められているが,あれも予備知識なしで読むにはハードルが高いようだ(イギリスでTAをしているとき,学部1年生に勧めたら,意欲的な学生数人から質問の嵐を受けた).ということで見ていくと,Mark BakerのThe Atoms of Language(郡司隆男訳『言語のレシピ』岩波書店)が一番ましかもしれない.化学とのアナロジーに若干無理があるし,P&Pのパラメータを強調している辺りが不満だけれど,その辺のテイストを薄めると,認知科学的な言語類型論という視点で中々秀逸である.他には専門書ではあるけれど,Daniela Isac & Charles ReissのI-Languageも議論のもっていき方がうまいので,結構参考になる.

オープンキャンパス後は,茨城の別宅に行っていた.ROCK IN JAPANという夏フェスが近所の海浜公園で開催されていたようだが,特に混乱もなく平穏な日々であった.せっかくだから,近所の港に行って,前にもこのブログで取り上げた店で,晩ご飯を食べたのだが,いつもにも増してコストパフォーマンスが高い食事であった.今までは,港なのでついつい刺身のような新鮮さ命の料理を注文していたのだが,今回は焼き魚定食を頼んだら,真鯛が2匹ものったものが出てきた.程良い塩加減,焼き具合で絶品であった.今度は煮魚定食を頼んでみようと思う.

2010年8月3日火曜日

映画の日

もう8月になってしまった.学会運営関係の仕事が一段落し,春学期の成績も全部出して,やっと自分の研究に目が向けられるかな,というところである(6日のオープンキャンパスで高校生の前で言語学の模擬講義をする,という業務が残っているが).

8月は映画の日である1日が日曜日で,奥さんが茨城の別宅に帰る前に有楽町・銀座で映画を観ることにした.2人とも週末に自宅でやらなければならない仕事があったのに,こういう計画を立てて,その後酷い目に遭うのだが,まあこういう無理矢理の息抜きも必要である.

特に目ぼしい映画もなかったので『ソルト』を観ることにする.夏休み・日曜日・映画の日・公開2日目という好条件が重なったせいか,丸の内ピカデリーは満席の盛況ぶりであった.内容は,頭を空っぽにして大画面でアクションを観るにはちょうど良い感じ.話的には,同じスパイもののボーンシリーズの方が面白いと思うけど,観てがっかりするようなものでもない.アンジェリーナ・ジョリーも「らしくて」良かったのでは.

そういえば,奥さんの誕生日がそろそろなので,何か欲しいものはないか聞いてみると,今絶賛はまっているモンティ・パイソンのDVD-Boxを所望された.まずAmazon JPで調べてみると,結構高くて25,000円くらいする.どうも『空飛ぶモンティ・パイソン』は,日本語吹き替えが山田康雄なんかがやっていて,ある種プレミアになっているようである.我々は別に日本語吹き替えなんていらないし,英語でそのまま観た方が遥かに楽しめるので,Amazon UKで調べてみると同じ8枚セット1,327分のものがたった13ポンド(1,800円弱)であった.もちろんこちらを注文した.イギリスからの郵送は結構早いので,数日中には到着するようである.私も楽しみだ.

モンティ・パイソンは古典とも言えるけれど,現代でもイギリスのコメディというのは,ウィットに富んでいて本当に面白い.私が住んでいたときはThe Officeが大人気だった.私はCouplingが大好きで,帰国後また無性に見たくなってDVDセットを注文した.Dead Ringersなんかも,よくテレビで観たものである.コメディに限らず,Top GearGrand Designsや各種料理番組など,イギリスのテレビ番組はとても面白いので,字幕や吹き替えなんてつけなくてもいいから,いつかCATVやネットで日本でも気軽に見られるようなシステムが整備されて欲しいものである.
 
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