2008年12月17日水曜日

文学

今日はめずらしくスカッとする快晴.どこかにふらっと行きたいところだが,当然そんなことが許されるはずもなく,午後から会議のようなもの(というか純粋な意味での単純労働).この手の会議でいつも一緒のイギリス人の同僚と,こうやって監禁されるときはいつも快晴だね,といつもの挨拶(?)を交わす.その後,明日の授業で行うテストを印刷したり音声ファイルを編集したりし,夕方は6時までセンターの研究会,その後福祉の人向けの英語が10時前まであって,帰宅.

今日の研究会は,10月に着任された人の英文学の話だったが,テクストの解釈をベースに進めていくのを聞いていて,学部時代を思い出して,懐かしかった.今でこそ,まったく文学とは無縁の分野を研究しているけど,学部は英米文学・英語学専攻なので,英米文学の授業をたくさん履修したのである.特に印象に残っているのが,アメリカのBall State Universityからフルブライトの客員教授として来られていたDennis Hoilman先生の授業だった.受講生は僅か3人だったが(しかも,他の2人は高校の先生を退職された70くらいのおじいさんと,アメリカ人の言語学の教員),まず雑談で空気を和ませた後,自然に授業に入っていって,丁寧に受講者の意見を聞きながら進めていくスタイルは,まだ留学する前の私にはとても新鮮で,毎回授業で議論するのが楽しみだった.学外でも親しくしていただいて,滞在している部屋に招いていただいたり,奥様も交えて食事をしたり,楽しい思い出である.私が将来は海外で学位を取るつもりだというと,英語のレポート(当時はまだ拙いものだったと思う)を丁寧に添削してくださり,研究室で細かいアドバイスをいただいた.帰国前に研究室の片付けを手伝いに行った際も,たくさんの本や講義ノートをいただいた.自分も大学教員となった今,ああいうのを学者の品格というのだろうなぁ,と自戒の意味も込めて思う.

文学絡みでもう1点.研究会で軽く話題になっていて,私も先日ウェブで見て知ったのだが,『英語青年』が来年3月で休刊になるらしい.そこそこの大きさの本屋や図書館ならどこにでも置いてある雑誌で,学術系雑誌としてはかなりメジャーな方だと思っていたのだが,発行部数も3,000部まで落ち込み,採算が採れなくなったとのこと.中学高校も含めると英語教員ってのは,かなりいるので,大学だけじゃなくて,中高の先生にも買ってもらえれば,なんとかなりそうなものだが,中高にはそういう研究費のような予算がないのだろうか(教材費みたいなのでも買えそうだけど).システムをよく知らないので,なんとも言えないのだけど.

と,疎遠になっていた英文学に思いを馳せた一日でした.
 
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