2009年10月14日水曜日

数理的機能主義

月曜日は祝日だったようだが,大学は講義回数確保のため通常の時間割(ハッピーマンデー意味無し).昨日は午後から3コマ講義,今日は午後と夜に会議.どの日もどことなく慌ただしく,夜中には疲れて研究室で1時間ほどうたた寝するという,なんだか非効率的な日々である.科研費申請の締切も迫っているので,そろそろ採択されるような形にまとめないといけないんだけど,現状では駄目だろうなぁ.バタバタとした生活のつけが回ってきてる感じだ.

これまでずっと自分の研究はかなり数理的なアプローチで進めてきたのだが,最近Bybee のMorphologyを読み直したり,講義準備の関係でCroftのRadical Construction GrammarやVan Valin & LaPollaのRRGベースのSyntax辺りを参照していると,もう少しポジションを言語使用も重視した機能的な方向に傾けた上で,数理的に形式化する方向に持って行ければ,それが理想的にも思える(ここでUsage-basedと言ってしまうと,そっち方面のラベルが貼られてしまう感じもするのが悩ましい).私が専門とするLFGは,本来機能的なアプローチを取り込んだ枠組みであってよいはずなんだけれど,自然言語処理との関係もあって中々保守的な部分も多いので,「うまいこと」数理的に組み込まないと失敗するのがオチというのが悩ましい.形態論は,次回のInternational Morphology Meetingもfrequencyがテーマになっているくらいだから,こっちの方を中心にしばらくやっていった方がいいのかもしれない.私の元指導教官もLFGとは距離を置いて,結局こっちに戻ってきそうな気がするし.

自身の研究の苦悩はさておき,今学期開講している形態統語論と言語類型論の講義は,準備は結構大変だけれど教えるのは楽しい.受講者の皆さんのコメントも中々新鮮なものが多くて面白いし.今週は適用態,与格交替,使役を項構造と絡めながら話したのだが,ちょっと詰め込みすぎたかもしれない.次は2週に渡って格と文法関係の予定なので,能格言語,活格言語,accessibility hierarchy(日本語で何て訳すんだろう?)なんかを含めて,なるべく面白く話せればと思う.
 
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