2010年9月10日金曜日

iPad出張

前回のブログでイギリスに出張中にも細々とした仕事をしていたと書いたが,今回は実はMacBookは持って行っていない.ロンドンで滞在するホテルでも,リーズに向かう電車の中でも,学会会場のCollegeでもwifiが使えることが分かっていたので,iPadとリュウドの折りたたみキーボード,写真取り込み用のiPad Camera Connection Kit,それにiPadをプロジェクタにつなぐDock Connectorだけで済ますことにしたのである.

リュウドのキーボードは中々秀逸なもので,軽量かつコンパクトで,bluetoothで簡単にiPadとつながるので,大変使い勝手が良い.簡単な文書なら,もちろんタッチパネルキーボードで充分なのだが,仕事上ちょっとした長文のメールを書く必要があるときなんかは,こいつを取り出してぱたぱた入力すると,とても快適である.普段使い慣れた英語配列というのもありがたい.以下のような感じで専用ケースもついている.
iPadはノートPCと違い常時起動しているので必要なときに即使うことができる,且つバッテリーの持ちが良い(10時間)ということで,出張先で細々した仕事をするには,本当に役に立った.iAnnotate PDFでPDF原稿の校正もできるし,飛行機の中で論文が読めるのもうれしい.ただ,空港のセキュリティチェックで鞄から出さなくても良いとの謳い文句であったが,Heathrowでは「iPadが入っている」という言うと,「出してくれ」と言われた(成田では何も聞かれなかったので,鞄に入れたまま通して問題がなかった).

一点戸惑ったのは,メールでファイルを添付したいときである.iPadやiPhone/iPod touchの標準のメーラーは,そもそもファイル添付機能がないので,書類等をメールで送るとき困る.SafariでGmailにアクセスしても添付はできない.そもそも標準のiPadの仕様では,可視的なディレクトリでファイルを管理するようになっていないので,ちょっと不便である.解決策としては,Dropboxのアプリを入れておいて,必要な書類はすべてそこに保存しておく(私の場合,普段からそうしているので問題ない).いざ添付ファイルとしてメールで送るときは,wifi環境下でGoodReaderからConnect to ServersでDropboxにアクセスして,ファイルを取ってきて,Manage FilesからE-mailを選ぶと,添付ファイルとして送ることができる.この辺りの手順は知らないと途方に暮れるかもしれない(Air Sharing HDを使っても良いようだ).

プレゼンにiPadを使う場合,Dock Connectorでプロジェクタにつなぐことになるが,これは単に画面を出力するわけではないので,アプリが対応している必要がある.私の場合,LaTeXのBeamerでPDFのスライドを作るので,PDF Presenterというアプリを使っている.CloudReadersでも可能なのだが,割と落ちることがあるのであまり使いたくない.PDF Presenterは,映写しているスライドの前後のスライドを見ることができるのもありがたい.

問題は,iPadでLaTeXをコンパイルすることが現状ではできないため,直前にちょっとスライドを変更というようなことが不可能というのがある.出発前にすべて完成させておかないといけないのである.「飛行機の中で,最後の仕上げをしよ♪」とか「発表は3日目だから,学会中ホテルで完成させよう☆」とかいうことができないのが,いろんな仕事で忙殺されて事前に充分な準備時間が確保できない人にはちょっと辛い.Keynoteを使っている人は,iPadにもアプリがあるので可能だと思うが,私はLaTeX以外でスライドを作るのはちょっと難しいので,悩ましいところである.誰かがiPadでLaTeXを動かせるようにしてくれることを切に願う(TeXShop for iPadなんて,誰か作ってないのかな.10,000円でも買うけど).
 
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