2010年2月20日土曜日

「脳科学と社会」シンポジウム

昨日ハイボールのところで五木寛之氏について言及したが,今日新宿を歩いていたら,五木氏が直木賞の選評コメントに大きな間違いをしてしまい自ら審査員を辞任する,というニュースが電光掲示板に流れていた.単なる偶然だが,誰かさんのようにここがデスブログにならないといいのだが...

今日は「脳科学と社会」のシンポジウムがあったので行ってきた.両国であったので,大江戸線という漫画に出てきそうな名前の地下鉄に初めて乗った.6の字形に走っていて,進行方向がよく分からない地下鉄である.両国駅には江戸東京博物館なんてのもあった.「江戸」と強調している割には,大して歴史のある建物がないのが東京らしい.

シンポジウムは結構大入りで盛況であった.内容も総括である日立製作所の小泉氏の導入(私の父親は若い頃日立製作所で電子顕微鏡やスーパーコンピュータを扱っていたらしいので,ちょっと親近感が湧く),JSTの研究開発センター長で元東大総長の吉川氏の基調講演は,巨視的で切り口が面白くとても楽しめた.その後の研究発表もJSTが強力に資金注入した双生児,言語習得,学習意欲,発達障害への脳科学的アプローチに関するプロジェクトの成果報告だけあって充実していたように思う.

ちなみに休憩時間に「こんにちは」と見知らぬ年配の方に声をかけられたので,この人どっかで会ったかなと困っていたら,単に脳波測定ができる人を探しいている人だった.7年間も探しているそうだが,本気で研究するつもりだとしたらありえないことである.その程度のレベルではやめておいた方が身のためですよ,とはさすがに言わなかったが.

私の分野に一番近い発表だと首都大の萩原裕子さんの言語習得のプロジェクトであるが,不純な見方ながら,お金がかかってるなぁ,というのが第一印象であった.脳波測定トポグラフィー2台を積んだ移動式トラックを作り被験者の脳波測定をして,日立製作所にデータ解析してもらうというのは,なんともすごい話である.ただ研究対象が小学生ということで,自治体,教師,保護者との交渉で大変苦労されたようだし,プロジェクトの規模が大きいだけにプレッシャーも大きかったのではないかと想像する.プロジェクトには,私のいたイギリスの大学院の先輩が参加していて(時期が数年ずれているのでお会いしたことはないが),今回の萩原さんの発表でもfirst authorで論文がいくつか言及されていたので,大いに活躍しておられるようである.

シンポの後,久々に東京の東側に来たので秋葉原に寄っていったのだが,ヨドバシをぐるりと見ただけですっかり疲れてしまって,そのまま帰ってきた.まあ色んな最新の製品を見て「すげー」と言ってるだけで,結構楽しいのでいいんだけど.
 
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